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遺言書を書くことで得られる本当のメリット

皆さんは遺言を書かれたことがありますか? 
政府の調べによると実際に書いている人は1割にも満たないそうです。

仕事柄、相続手続きで困られている人や、相続人同士で争っている人によくお会いします。その度に、どうすればもっと遺言を書いて頂けるのか悩んでおります。

遺言の専門家である司法書士や行政書士のブログやホームページなどを見ていると、遺言のメリットとしてよく挙げられていることは次の2つに集約されます。

  ・相続の手続きが簡単になる

  ・相続人同士がもめない

確かに、遺言があると相続の手続きがとても簡単になります。本来の相続の手続きは、亡くなった方の戸籍を全部集めて、相続人全員の印鑑を集めてと、手続きが非常に煩雑です。しかし、遺言があれば、戸籍も一部だけでよかったり、他の相続人の印鑑が要らなかったりします。

遺言で相続人がどの財産を相続するのかを決めておけば、相続人同士が遺産争いをすることも無くなります。

でも、それって本当に遺言を書くメリットなのでしょうか? 上記に挙げたのはいずれも相続人にとってのメリットです。

しかし、遺言を書く遺言者にとっては、少しもメリットになっていません。なぜなら、遺言者はすでに亡くなっているので、手続きが難しいも簡単も関係ありません。相続人同士が揉めようが知ったことではありません。むしろ、遺言を書くという手間や費用がかかるので、デメリットの方が大きいと感じます。

多くのメディアは相続人のメリットばかり挙げていて、遺言者のメリットを挙げていません。だから遺言を書く人が増えないのだと私は思います。

では、遺言者にとって遺言を書くメリットってなんでしょう? 思いつく限り挙げてみました。

・家族や家族以外でも、好きな人に遺産を分けることができる(反対に、嫌いな人に遺産をあげない)

・嫁(夫)や子どもから遺言を書いてとワーワー言われなくなる。

・財産や心配事を整理することで、気持ちがすっきりする。

・死後も威厳を保てる(亡くなったあとなので、恩恵を感じれるかは不明ですが…)

こんなところでしょうか。。。 遺言を書く動機付けとしてはちょっと少ないような。コロナ給付金のように政府が「遺言を書いた人には100万円給付する」みたいな褒賞があれば、もっと遺言を書く人が増えるのでしょうけど。